「鷲崎健のロレンチーニ便」第51回

第51回（2021/01/13）

　明けましておめでとうございます。

　2020年はちょっと大変な一年でしたね。とは言え我々ラジオ業界の人間は他業種の方に比べたら随分被害が少ないというか「まだマシ」パワーの残量が多いように感じる。
　実際仕事が止まったりすることは（個人的には）ほぼ無かった。リモートでのゲスト対応、というのがあったくらいでそれも数えるほどであった。

　感染者のニュースは日を追うごとにまた増えているのでなんとも言えないが、困窮の極み、といった雰囲気は少なくとも局内には感じなかった。なかったように思う。

　エンタメ各種の現場においてラジオが最もそういう局面に立たされなかった、立つことから免れたという感がある。

　拙著「為すも為さぬもないのだが」にも書いたが職業ラジオパーソナリティを謳ってる自分と違ってラジオ局内で喋っている方々は何かしら別の仕事を持っている。
　もっというとラジオ以外にメインの仕事を持っている人が多く、音楽や芝居や舞台芸能に関わる人たちにとっては苦悩の一年だったと思われる。振り返るとイベントの仕事は一年を通してほぼゼロに近かった。

　『ヨルナイト＝ヨルナイト』という番組が今年1000回を迎える。それを記念して大きなイベントをうとうという話もあったのだがそれも断ち消えてしまった。残念ではあるが個人的にはラジオさえやっていれば幸せなのでまあまだ乗り越えられるしいつかまたやれればいいじゃないかという余裕もある。
　しかしイベントで生計を立てているスタッフたちにとっては文字通り死活問題なのである。いつかまた、は今日を乗り越えないとやって来ないのだから。

　実際好きなバンドや好きな劇団を支援するプロジェクトがあっても、裏方勢はなかなか目を向けてもらえない。実兄が舞台照明の仕事をしているのだが（社長です）現場よりも役所とのやり取りの方が多い一年だったと言っていた。少しづつ戻っては来ているが、エンタメの灯が消えないように祈るばかりである。

　さてしれっと言ったが1000回。これはもうなかなか凄いことなんである。そう思いませんかみなさん。
　例えば長寿だった印象のあるアニスパだって全573回である。そして、あの『名探偵コナン』が今年ようやく25周年&1000回を迎える。ヨナヨナは週4回の帯番組であるため1000回を迎えるペースはもちろん早いがやはりそれなりに感慨深いものはある。

　時代によって数字の持つイメージは変わるものだと思うが各種スレッドにおいて999レスまでしか書き込めないことが多いため1000とは「次の一歩・第二章」的な新たな始まりを感じさせる数字であるとも言える。

　もちろんこじつけだが大体の縁起物とはこじつけである。こじつけ／ダジャレの持つ言葉のエネルギーみたいなものは馬鹿にしない方がいい。
　加えて今年は丑年なので年男でもある。年男は歳神のパワーを受け取るとも言われているのでとても縁起がいいとされている。調べてみると「節分の豆まき役ができる」くらいしか無くて脱力ではあるがそれでも豆を持って邪鬼を払い除けるパワーを持っているのだ。

　だからなんだと言われても困るのだが、なんとここに来て今回のテーマは「牛」なんである。お待たせいたしました。

■テーマ「牛」

　こちらのコラムは有料会員向けサービスです。月額￥500以上の有料コースに入会すると（もしくは入会済みの複数の有料コースの合計金額が￥500以上で）記事の続きをお読みいただけます。また、付与されたポイントを使用して音楽をダウンロードしたり、電子書籍を購入することができます。（※各記事の閲覧でポイントが使用されることはございません。）

ご利用には　

ログイン

　もしくは　

新規アカウント作成

　が必要です。