「鷲崎健のロレンチーニ便」第56回

第56回（2021/03/24）

■テーマ「90年」

　振り返ってみればどの年も大切な何かがあり、エポックで重要な年であったような気がする。

　例えば5年前の2016年には『ヨルナイトヨルナイト』という大事な番組が始まったし、10年前の2011年は生まれて初めて作詞提供（No Back Page）を行った。15年前の2006年は初めて文化放送以外の放送局でレギュラーが始まった年であり、20年前の2001年はユニットポアロがマンスリーライブを始めた年だ。派手な年と地味な年はあるとして、全く何も起こらなかった一年、というのは無かった様な気がする。

　そんな中で1990年に目を向けてみようと思う。理由はない。全くランダムな選択である。94年でも88年でも構わない。
　強いて言えば先日戸松遥ちゃん出産の報を受け、一人めでたさに祝杯をあげながらうっかりと戸松ちゃんの生年月日を調べてしまったからだろうか。えーっ1990年生まれなのか戸松ちゃん。

　スフィアのデビュー時にラジオにゲストで来てるからあれは十代の時だよねえ。その後レギュラーも一緒にやっていつ会っても愉快で若々しい女の子であった。そんな戸松ちゃんに子が生まれるとは。1989年の段階では存在もしてなかったのに。偉大だねえ。

　例えば2003年とはどんな年であったか。当たり前だが人によって全然違うだろう。

　世界史的にはアメリカがイラク侵攻を開始した年であり、野球が好きな方にとっては18年ぶりに阪神が優勝した年であり、自分史においては浅野真澄さんとのレギュラーが始まった年であり、ミッシェルガンエレファントの解散した年である。製作者によってカレンダーのイラストも記念日も大いに変化する。

　さてでは全く個人的な1990年の思い出。
　前年の89年には年号が変わり社会が大きく転換期を迎えた。と思う。正直あまり実感はない。経年による記憶の劣化というよりはあまり社会に対して大きく心を開いてなかったというか鈍感というか半径3メートルくらいの世界しかリアルに感じてなかった様である。

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